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秘密結社

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ひみつけっしゃ/秘密結社

存在そのものが秘匿され、また秘密儀礼によって入社式を行う団体。会員の徴募活動は秘密裡に行われ、資格があると認められた者だけが参入儀礼を受けることができる。口授される伝承や、会員同士が識別のために用いる符牒や合い言葉を極秘扱いにすることも多い。社会学的には、入社的秘密結社と政治的秘密結社に分類される。入社的秘密結社は、入社式の遂行そのものを目的とする結社であり、それ以外の活動は二義的なものに過ぎない。政治的秘密結社は、政治権力に対する抵抗や政権の奪取を目的として結成された団体である。この両者の性格を併せもった結社も存在した。現代社会においては、カルト運動が秘密結社の性格を帯びていると指摘することができる。カルト運動とは人々を回心へ導き、社会の変動を誘引しようとするものである。この意味で、カルト運動は入社的・政治的秘密結社の性格を併せもつものといえる。既存の価値観を否定し、指導者への崇拝を通じて結束がもたらされるカルトは、時にメンバーへ高いレベルの関与を求め、厳しい道徳生活を要求することがあり、現代社会と緊張関係の中にある。


【参考】有澤玲『秘密結社の事典』(柏書房、一九九八)、井上順孝編『現代宗教事典』(弘文堂、二〇〇五)


【参照項目】➡カルト


【執筆者:髙瀬顕功】