念仏一会
提供: 新纂浄土宗大辞典
ねんぶついちえ/念仏一会
勤行や法要中、鉦・木魚等を用いて遍数を限らず称名念仏すること。通常は摂益文に続いて称名することを念仏一会という。一会の意味には一つの法要や法会をさす場合と、鳴り物を定められた法で繰り返し打ち鳴らすことをいう場合があるが、念仏一会は後者で、宍戸寿栄『浄土宗法儀解説』には「一連といった意で、或る連続した時間念仏申すこと」(真教寺、一九六六、七五)とある。念仏一会の名称は、享保一九年(一七三四)の『浄業課誦附録』(六ウ)や文政六年(一八二三)の『吉水瀉瓶訣』(『伝灯輯要』八四三)等に見られるが、同時期に称名一会とする例もあり、江戸時代の前期までは単に念仏・称名等と表記したものが多い。
【資料】宝洲『浄業課誦附録』、隆円『吉水瀉瓶訣』、『浄業信法訣』
【執筆者:熊井康雄】