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日蓮宗

提供: 新纂浄土宗大辞典

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にちれんしゅう/日蓮宗

日蓮を開祖とする宗派。総本山は身延山久遠寺(山梨県南巨摩郡身延町)。宗務院は東京都大田区池上。建長五年(一二五三)、安房国清澄(千葉県鴨川市)において立教開宗教義の根幹は、日蓮釈尊の唯一真実の教えであると捉える『法華経』の受持であり、末代の衆生題目南無妙法蓮華経」を唱えることによって成仏できると説く。教義弘通にあたり、日蓮は他宗、とりわけ浄土教を批判したために、しばしば浄土門徒と軋轢を起こし、日蓮滅後も勢力を拡大していく日蓮宗徒と浄土門徒は対立を繰り返した。特に一六世紀末から一七世紀初頭には対立が激化し、天正七年(一五七九)には、近江国安土(滋賀県近江八幡市安土町)において浄土宗僧侶玉念らと日蓮宗僧侶日珖らによる論争が行われた(安土宗論)。続いて徳川家康の時代に浄土宗僧侶廓山日蓮宗僧侶日経が江戸で論戦し、いずれも浄土宗側の勝利と裁定された(武城問答)。


【参考】立正大学日蓮教学研究所編『日蓮宗読本』(平楽寺書店、一九八二)、小松邦彰・冠賢一編『日蓮宗小事典』(法蔵館、二〇〇〇)


【参照項目】➡安土問答武城問答題目


【執筆者:大嶋憲彰】