にそうしじゅう/二双四重
親鸞の『教行信証』および『愚禿鈔』(『二巻鈔』)に示される教判。存覚の『六要鈔』『歎徳文』よりこの呼称がある。釈尊一代の教説は竪出・竪超・横出・横超の四つに分類されるという。このうち竪とは聖道門の教え、横とは浄土門の教えを指す。また出・横は権・実教の違いを示している。このような横竪の判釈は『楽邦文類』所説の桐江択瑛(一〇四五—一〇九九)を先例とするとみられている。なお、親鸞の教判論として『教行信証』六巻の相関関係より導き出された真仮偽判という理解もある。
【執筆者:能島覚】