正応二年(一二八九)—応安五年(一三七二)三月一三日。「とんな」とも読む。時宗の僧。室町期の歌人。正和元年(一三一二)に出家。比叡山に登り泰尋と号す。のちに高野山に赴き、感空と称し、時宗四条道場開山・浄阿の門に入り頓阿と改める。幼少から二条派の歌調を好み、二条為世に従って和歌を究め、書にも秀でていた。八四歳で双林寺で亡くなる。著書に『愚問賢註』、『草庵集』一九巻、『高野日記』、『井蛙抄』六巻等がある。
【資料】『高野日記』(『続群書類従』五二三)、『草庵集』正・続(『校註国歌大系』一四)
【執筆者:長島尚道】