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道恕賛の御影

提供: 新纂浄土宗大辞典

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どうじょさんのみえい/道恕賛の御影

法然御影の一つ。知恩院蔵。東大寺別当華厳宗長吏安井門跡大僧正道恕(一六六八—一七三二)の賛をもつ御影。賛は元禄一五年(一七〇二)一一月に付された。上部に法然の出自・誕生から往生までを一行二〇字一九行にわたって記し、伝記を通して法然をたたえている。道恕は東大寺永禄の復興に公慶をたすけ、元禄五年(一六九二)の開眼供養導師さらに宝永六年(一七〇九)の大仏殿落慶法要結願導師も勤めている。このように華厳宗の重鎮であった道恕は法然を鑽仰し、宝永五年(一七〇八)には『法然上人行状絵図目録』を残している。下部には法然の左向の座像が描かれている。伝によれば彼は狩野永納に絵を学んだが、狩野派の画風になじまず、この御影の画風からいえば、繊細かつ平明細密で「やまと絵」風であり、江戸時代末の復古大和絵派の冷泉為恭れいぜいためちか御影につながるものといえる。【図版】巻末付録


【参照項目】➡法然上人御影


【執筆者:成田俊治】