一巻。『天竺往生本記』ともいう。世親造、羅什訳と伝えられるが、後の成立と考えられている。インドにおける往生人の伝記を九名にわたって列挙しており、王子やバラモンから俗人まで幅広い身分の往生人を取り上げている。末尾に最澄が請来したとの記載があるものの、請来目録に見られないなど、その説も信憑性が低く、かなり時が下ってからの成立であるとされている。
【所収】続浄一六
【参考】深貝慈孝「往生伝・高僧伝解説—特に浄全続十六巻所収本について」(続浄一六解題)
【執筆者:郡嶋昭示】