ちくそうずいひつ/竹窓随筆
三巻。袾宏撰。明・万暦四三年(一六一五)述。『竹窓随筆』『竹窓二筆』『竹窓三筆』の総称。袾宏最晩年の円熟した思想が披露されている随筆集で、計三八九篇からなる。仏教をはじめ儒教・道教・天主教・民間宗教のみにとどまらず、明末の社会風景をもありのままに書き連ねている。袾宏は禅浄双修を標榜しているが、『竹窓二筆』「随処浄土」では、禅に傾倒する者に対して皮肉を込めて厳しく警告する旨が述べられており、初心の者は浄土教を信じるべきであるとしている。
【所収】清・光緒二三年(一八九七)開雕『雲棲法彙』(明版『嘉興大蔵経』三三)
【参照項目】➡袾宏
【執筆者:石上壽應】