葬儀または忌日に関する法会の前夜をいう。大たい夜・太夜・迨夜の字を当て、宿しゅく夜・伴ばん夜・贈別夜などともいう。「逮」「迨」は葬儀の日に逮およぶの意味。「大」は「太」とも混用され、大帰夜の略で、一たび往って再び帰らない夜の意。「伴夜」は親しい者が枕辺に相伴って別れを惜しむ意味などから名付けられる。また、荼毘の前夜を指すものとして、のちに忌日(祥月命日)や法会の前夜をも逮夜というようになった。僧がそのときに読む経を「逮夜経」といい、出向いて勤行することを「逮夜参り」という。知恩院御忌では、晨朝・日中・逮夜法要の三座が行われている。
【執筆者:和田文剛】