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因縁

提供: 新纂浄土宗大辞典

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いんねん/因縁

事実の成立に関与した行為や事跡、事物のこと。原因、機縁、根拠。例えば『選択集』には「易行道とは、謂くただ信仏の因縁を以て、浄土に生ぜんと願ずれば、仏の願力に乗じて、すなわち彼の清浄の土に往生することを得」(聖典三・一〇二/昭法全三一二)とある。経の分類である十二分教の一つに物事の由来を説く因縁(Ⓢnidāna)がある。また縁起(Ⓢpratītyasamutpāda)と同義で、一切の物事は、必ず何かを原因として生じ、他者に依存してあること。物事の因果を一二の段階で説明したものを十二因縁という。因縁は分ければ因(Ⓢhetu)と縁(Ⓢpratyaya)になる。ともに結果の成立を妨げないことをも含み、当の果報を除く三世一切の法が該当する。因と縁が対立する場合は、因は結果を引き受けるものに内在する要素、縁は環境からの偶然の要素と内外に二分される。また縁の分類で結果に力能として関与するものを特に因縁(Ⓢhetupratyaya)という。


【参照項目】➡因果縁起十二分教十二因縁


【執筆者:小澤憲雄】


説教の構成、五(または七)段法の一つ。事実談や体験談、あるいは各種の『往生伝』に説かれる念仏者の具体的な姿や、伝記等に伝えられる法然の姿や弟子との逸話を語ることを通じて、讃題法説の内容をより具体的に、かつ感情を以て伝える部分。「譬喩」と共に、「起承転結」の「転」に当たる。


【参照項目】➡説教五段法


【執筆者:郡嶋泰威】