経論の説人や著者という「人」によって、その説かれた法が世間に重んじられるという意。『往生論註』の題号に「婆藪槃頭菩薩造ばすばんずぼさつぞう」とあるのを、曇鸞は「造とはまた作なり。人に因よりて法を重んずることを庶こいねがう。故に某なにがしの造という」(浄全一・二二〇上/正蔵四〇・八二六下)と述べ、著者名を明記するのは、その人の威徳によって所説の法が尊重され流布されることを願うからである、と説明している。
【執筆者:曽和義宏】