『無量寿経』に説かれる疑惑胎生往生と『菩薩処胎経』に説かれる懈慢国けまんごくが、同じ世界か異なる世界か、という議論。良忠は『東宗要』三において、「問う、胎生と懈慢と同異は如何。答う、異なり。大経の胎生は極楽のうちに在り、胎経の懈慢は極楽の外に在りてこの界に近し」(浄全一一・七一上)として、極楽とは別の世界としている。他方、親鸞は阿弥陀仏の化土に疑城胎宮と懈慢辺地があるとして、極楽内の方便化土という解釈をしている。
【資料】『愚禿鈔』上
【参照項目】➡胎生二、懈慢界
【執筆者:曽和義宏】