大聖人の意で、仏道の悟りを開いた偉大な聖者のこと。仏の尊称であるが、菩薩を指す場合もある。『善思童子経』上(正蔵一四・六〇七中)には、「大聖世尊」とあり釈尊を指す。また『無量寿経』上には、「一切の大聖、神通すでに達せり」(聖典一・二一三/浄全一・一)とあり、仏のことを指すが、浄影寺慧遠は『無量寿経義疏』上(正蔵三七・九三下)の同経の解釈部分で、「大聖」の大には位が高いことと徳が勝るという二つの意味があるとしている。
【資料】『選択集』一(聖典三・五)
【執筆者:薊法明】