正徳元年(一七一一)—安永八年(一七七九)三月五日。玉蓮社震誉専阿。伊勢国堂箇山の人。幼いとき、同安濃津阿弥陀寺空誉のもとで出家し、関東へ遊学後、帰国して師の遺跡である阿弥陀寺・天然寺に歴住した。阿弥陀寺の本尊が当麻曼陀羅であったことを契機に、浄土変相図研究の志を立て、各地を乞食して歩き関係する典籍の収集に奔走し、経蔵の建立に至った。関係文献を渉猟して教義を研鑽し、『当麻曼陀羅捜玄疏』七巻を著した。著書は他に『善導大師曼陀羅略讃』一巻・『当麻曼荼羅捜玄疏補註』二巻などがある。
【資料】『新撰往生伝』五(浄全一七)
【執筆者:大屋正順】