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即心念仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

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そくしんねんぶつ/即心念仏

心に即して仏を念ずること。四明知礼は『妙宗鈔』で伝智顗観経疏』に基づき、『観経』所説の観仏はいわゆる約心観仏にして、己心現前の妄心に即して仏を観照する即心念仏であるとした。極楽浄土という依報の国土も、正報阿弥陀仏も己心本具であるから、心仏同体の修証を目的とする。約心観仏即心念仏の同異については、即心念仏は己心現前介爾陰妄の心と西方果成の阿弥陀仏とは、ただ唯心本具であるから当体全是である、故に心仏同体であるとする。一方、約心観仏は心・仏・衆生の三法の中で、難易簡別をすれば仏界は高く、衆生界は広いので初心の行人には非常に観じ難いが、今現にある在迷の己心を観ずることははなはだ容易であり要であるから、極楽阿弥陀仏も自分の心に約して観ずるのである。即心は法体に約し、約心は行人の辺に約して説かれたものであるから、一つのものを二面からみたに過ぎず異義同体といえる。


【参照項目】➡約心観仏


【執筆者:小林順彦】