そうもん/桑門
出家修行者のこと。Ⓢśramaṇaの音写語。沙門とも音写するほか、勤息、静志などと意訳する。翻訳仏典においては沙門が頻出するが、日本においては桑門が比較的多く用いられた。その場合、名利を捨て出家した聖、遁世僧を意味する。本来は非バラモン教の自由な立場で出家修行に努める者の総称。強い意志で禁欲生活を送り、閑静な場所で瞑想を行い真理を目指す者であり、釈尊もそうした沙門の一人であった。その有様については、バラモン四住期との関係が指摘されている。
【参考】大正大学仏教学科編『仏教とはなにか—その歴史を振り返る—』(大法輪閣、二〇〇一)
【参照項目】➡沙門
【執筆者:中御門敬教】