送仏偈
提供: 新纂浄土宗大辞典
そうぶつげ/送仏偈
奉請した仏をその本国へ送る偈文で、勤行・法要等で最後に唱える。「請仏随縁還本国 普散香華心送仏 願仏慈心遥護念 同生相勧尽須来」。『法事讃』下(浄全四・三〇下)に出る。原文は「諸仏随縁」。香を焚き、華を撒いて仏を送り、本国に還られた後も大悲の心で遥かに護念したまえと願い、またすでに浄土に往生した人も、勧め来たりて護念せよと念じる意味。第四句について、『法事讃私記』下には「已生の人、勧め来て護念せよと請う」(浄全四・九一上)とあり、すでに浄土に往生された人々が、共々に勧め合って、この世界にいる私をお護りください、との意になる。また、人々は互いに勧め合って、ここに集まり、一人でも多くの人々と共に、(往生を願い)念仏の行を励みたいものである、との意味もある。導師が香炉を奉持し、式衆が長跪して「普散香華」の発声に合わせて散華する作法がある。
【執筆者:加藤芳樹】