一巻。大順撰。安永六年(一七七七)刊。本書冒頭にも収載される「観無量寿仏経十六観相(観経曼陀羅)」の解説書。本書名は善導が三〇〇鋪もの「観経曼陀羅」を描いたことにちなむ。五門に分別され、題目・玄旨・宗趣・伝来・解釈からなる。大順は本書のほかにも多数の曼陀羅註釈を残しており、また彼が住んだ伊勢は曼陀羅研究の盛んな地で、大順のほか演智や一道が輩出している。刊本は大正大学図書館などに所蔵される。
【参照項目】➡観経曼陀羅
【執筆者:石上壽應】