矢ノ目如来寺の月形函に納められていた尊観や良栄理本をはじめとする名越派の著書の目録。この月形函に納められていた著書は、明治維新以前は見ることが許されていなかった。しかし、本書が書かれた明治一六年(一八八三)には名越派の衰退は著しく、奥州総本山専称寺も鎌倉光明寺九八世吉水玄信に兼務を依頼している状況であった。そのため名越派の廃滅を防ぎ、名越派を修学するものに伝えていくため、公にされた。
【所収】続浄一〇
【参照項目】➡月形函、月形箱事
【執筆者:東谷敬信】