一巻。袋中撰。奥書に元和七年(一六二一)八月一六日酉刻とある。玄談の類に属し、その類としては現存最古のものと言われる。内容は縁起、奇瑞、伝授、破文、科文の五門より成り、いずれも諸説を挙げ、玄談としては詳細な記述も見られる。特に第五科文においては『決疑鈔』の拾遺的註解としながらも、全一六章にわたって補足されており、そこには袋中の思想が明確に現れている。
【所収】浄全八
【参照項目】➡玄談
【執筆者:兼岩和広】