操作

授菩薩戒儀要解

提供: 新纂浄土宗大辞典

2018年3月30日 (金) 06:27時点におけるSeishimaru (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

じゅぼさつかいぎようげ/授菩薩戒儀要解

一巻。『十二門戒儀要解』ともいう。義山撰。湛然授菩薩戒儀』(『十二門戒儀』)を注釈したもの。内容は、はじめに戒儀を釈するにあたって、第一釈名、第二出体、第三料簡三門に分ける。第一釈名は、授菩薩戒儀の名を釈し、第二の出体は、戒体について性無作しょうむさ仮色けしきであることを述べ、第三料簡においては、興廃因本と人法二縁に分け、前者は四弘誓と二縁(退菩提心・極惑犯戒)、後者は人縁(戒師)と法縁戒儀)について、智顗菩薩戒経義疏』に依って説いている。次に『十二門戒儀』の一々について注釈を施しているが、第三請師の項において、宋の元照がんじょうが説く、阿弥陀仏戒和尚とし、観音を羯磨師かつまし、勢至を教授師とする説を挙げている点は、浄土宗的な授戒の仕方を試みていたことを示す。本書に撰号を置かないのは、当時天台宗に遠慮したためであると『義山和尚行業記要解』にある。版本は、寛保元年(一七四一)の跋があるものと、明治三五年(一九〇二)のものがある。


【所収】浄全一五


【参照項目】➡十二門戒儀授菩薩戒儀


【執筆者:原口弘之】