授菩薩戒儀要解
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:27時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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じゅぼさつかいぎようげ/授菩薩戒儀要解
一巻。『十二門戒儀要解』ともいう。義山撰。湛然『授菩薩戒儀』(『十二門戒儀』)を注釈したもの。内容は、はじめに戒儀を釈するにあたって、第一釈名、第二出体、第三料簡の三門に分ける。第一釈名は、授菩薩戒儀の名を釈し、第二の出体は、戒体について性無作の仮色であることを述べ、第三料簡においては、興廃因本と人法二縁に分け、前者は四弘誓と二縁(退菩提心・極惑犯戒)、後者は人縁(戒師)と法縁(戒儀)について、智顗『菩薩戒経義疏』に依って説いている。次に『十二門戒儀』の一々について注釈を施しているが、第三請師の項において、宋の元照が説く、阿弥陀仏を戒和尚とし、観音を羯磨師、勢至を教授師とする説を挙げている点は、浄土宗的な授戒の仕方を試みていたことを示す。本書に撰号を置かないのは、当時天台宗に遠慮したためであると『義山和尚行業記要解』にある。版本は、寛保元年(一七四一)の跋があるものと、明治三五年(一九〇二)のものがある。
【所収】浄全一五
【執筆者:原口弘之】