四巻。良栄理本撰。応永七年(一四〇〇)作。名越派祖尊観の『浄土十六箇条疑問答』および付録五箇条の注釈書であり、名越派が正当であることの主張を展開したもの。はじめに当流と異義との呼称について説明し、続いて宗祖法然の門弟で流義を立てた者は隆寛・証空・長西・聖光の四人であり、鎮西流こそが浄土宗の本流であり、中でも名越派こそが正統であり、白旗派は異義であると主張している。尊観の一念業成の義を展開するだけでなく、藤田・三条・一条等の他流派の教義も比較している。
【所収】続浄一〇
【参照項目】➡浄土十六箇条疑問答、鎮西流、白旗派、名越派
【執筆者:𠮷水成正】