自分自身をほめたたえ、他人をそしりけなすことを禁じた戒。このようなことを誰かに教えて、させることも禁止されている。不自讃毀他戒ともいう。十重禁戒の第七番目の戒であり、菩薩の波羅夷罪である。菩薩は、人々がけなされ、それに耐えているときには、その人に代わってこれを受け、また悪いことは自分の方に向け、善いことは他人に与えなくてはならない。それに反して、自らの徳を宣揚し、他人のよいところを覆い隠し、誰かに非難させるようなことがあれば波羅夷罪とされる。
【資料】『梵網経』、『菩薩戒義疏』
【参照項目】➡十重禁戒、波羅夷
【執筆者:石田一裕】