三巻。『御遺誓資講ごゆいせいしこう』ともいう。的門著。関通『一枚起請文梗概聞書』、法洲ほうじゅう『一枚起請講説』を基礎としつつ、『一枚起請文』の真意を一八席にわたり講述したもの。一般向けというよりもむしろ知識のあるものに対する講話であるが、因縁例話を多分に取り入れているため一般に対する布教の好材料となったと考えられる。江戸期より明治期への布教傾向がより知識的なものへと変化していったことがくみ取れる点で価値がある。
【所収】『的門上人全集』四
【参考】浄土宗典刊行会編『浄土宗教学大系』九(浄土宗典刊行会、一九三一)
【参照項目】➡一枚起請文
【執筆者:永田真隆】