五重と宗脈、円頓戒の三つの血脈のこと。近世の箇条伝法における伝法において、檀林在学一四年未満の浅学衆にまず五重(浅学相承)を相伝し、次に一五年以上の碩学衆になってから宗脈(碩学相承)と円頓戒の相伝をした。また『浄宗伝法各流伝目集』に記載されている「三脈口訣」等の表題に「三脈」を号する伝書には、五重・宗脈・円戒・布薩・璽書が記載されており、宗戒両脈に璽書・布薩を加えたものを三脈としている。
【参考】鈴木霊真『浄宗伝法各流伝目集』(私家版、一九五二)、恵谷隆戒「近世浄土宗伝法史について」(『浄土教の新研究』山喜房仏書林、一九七六)
【執筆者:大蔵健司】