画趣を称える詩文を色紙形もしくは画面の余白に書き込んだものを指し、画賛とも称する。中国における山水画、つまり描かれた風景と自然に対する詩意の併存を示す詩画一致の思想に基づき、日本では奈良時代頃から唐絵の襖絵等に漢詩の賛が色紙形を画して記され、その後発展する大和絵の屛風絵等には和歌の賛が記された。肖像画における賛については主としてその伝記に基づく内容が記される。鎌倉時代には南宋の院体画が請来され、以後その形式を学んだ詩画軸が興隆することになる。
【執筆者:多川文彦】