中国浄土教の五祖(曇鸞、道綽、善導、懐感、少康)の教義は互いに相違することなく一貫しているとする見解。五祖各別に対する表現。証入の説であり、『総系譜』下には「此の人専ら五祖一轍義を弘む」(浄全一九・一〇一)と説かれる。行観は『選択集秘鈔』一において五祖一轍と各別について、第一章段は師資相承の面から五祖一轍を説き、第二章段は善導を重視して五祖各別を説いたという理解をしている。さらに、ただ五祖一轍とするのも、また各別とすることにも否定的で、両面の理解をもつべきだとしている。
【参照項目】➡浄土五祖
【執筆者:粂原恒久】