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康僧鎧

提供: 新纂浄土宗大辞典

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こうそうがい/康僧鎧

三世紀頃、生没年不明。康居国(現在のウズベキスタンを中心とする地域)出身。僧伽跋摩と音写され、これはおそらくⓈSaṃghavarmanに対応すると考えられる。『高僧伝』一の曇柯迦羅伝の附伝によると、曹魏の嘉平年間(二四九—二五四)の末に洛陽に来て、『郁伽長者所問経』一巻・『無量寿経』二巻など四部を漢訳したという。伝記や経典目録では「外国沙門」「天竺三蔵」などと記されるが、僧名に「康」が冠されていることから、康居国の出身と考えられる。なお八世紀の『開元釈教録』以後は、『曇無徳律部雑羯磨』一巻も康僧鎧の漢訳として入蔵されるが、その真偽については確証がない。また『無量寿経』についても訳語語彙からして、現在では康僧鎧訳ではないとする説が有力である。


【参考】坪井俊映『浄土三部経概説(新訂版)』(法蔵館、一九九六)、藤田宏達・櫻部建『無量寿経 阿弥陀経』(『浄土仏教の思想』一、講談社、一九九四)、藤田宏達『浄土三部経の研究』(岩波書店、二〇〇七)


【参照項目】➡無量寿経


【執筆者:齊藤隆信】