七巻。良遍著(あるいは口述)。懐感『群疑論』の注釈書としては最初期のもの。現存する金沢文庫本は、建長八年(一二五六)に良聖が抄写したもので、唯識思想に関連する部分が中心に残されている。また、現存本の各所に散見する「私云」の「私」は良忠と考えられる。
【参考】坪井俊映「金沢文庫所蔵 生駒良遍著 群疑論見聞について」(佛大紀要三三・三四、一九五七・一九五八)、金子寛哉『「釈浄土群疑論」の研究』(大正大学出版会、二〇〇六)
【参照項目】➡釈浄土群疑論
【執筆者:大屋正順】