旧訳・新訳
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:22時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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くやく・しんやく/旧訳・新訳
中国において翻訳された経典あるいは論書等のうち、唐代の玄奘が訳した以降のものを新訳と呼び、それ以前のものを旧訳と区分する。旧訳のうち、鳩摩羅什以前の訳を古訳と呼ぶこともある。古訳の代表的な訳経僧は支謙や竺法護、旧訳は鳩摩羅什や真諦、新訳は玄奘や不空などである。玄奘は旧訳を非難して新旧の区分を強調し、字義・音義に忠実な翻訳の意義を主張した。一方、鳩摩羅什の訳文は達意的であるとされるが、その流麗さが高く評価され、経典読誦の際に用いられることが多い。
【参考】河野訓『初期漢訳仏典の研究』(皇学館大学出版部、二〇〇六)、小野玄妙『仏書解説大辞典』別巻・仏教経典総論(大東出版社、一九三六)
【執筆者:工藤量導】