盥漱偈
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:21時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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かんそうげ/盥漱偈
手を洗い、口をすすぐときに唱える偈文。「以水漱口 当願衆生 得清浄手 受持仏法」(出典不明)。口などをきれいにすることによって、仏法を正しく持つことができるように願う意。起床して洗顔するとき、また法要前などに手を洗い清めるときにも用いる。洗手偈ともいう。『諸回向宝鑑』二では「手水を遣う時の文」とし、「以水洗水 当願衆生 得清浄手 受持仏法」(二一ウ)とある。特に手の浄触(浄と汚)が厳しく問われる律院などで重要視され、起居・威儀すべてに作法があって、日々の生活の中に、極浄手、浄手、触手などがあり、手を洗い清めることなどの必要性が意識される中、手を洗うときなどに必ず唱えるべき偈とされる。さらにこの偈に続いて呪の「唵主迦囉耶莎訶」を唱えることも指示されている(『浄土苾蒭宝庫』下四七ウ)。この偈文の典拠は『八十華厳』一四「以水盥掌 当願衆生 得清浄手 受持仏法」(正蔵一〇・七〇下)であり、黄檗宗などでこの偈が用いられている。一方、曹洞宗などでは『六十華厳』六「以水盥掌 当願衆生 得上妙手 受持仏法」(正蔵九・四三一中)の偈を用いる。
【資料】『黄檗清規』(正蔵八二・七七一中)
【執筆者:大澤亮我】