『無量寿経』に説かれる四十八願のうち第二十願の願意を解釈したもの。過現門は過去世の中で具えた徳本を現在世において回向することで、現未門は現在世で具えたものを未来世で回向し、それぞれが未来世で往生を得るという説。良忠の『決疑鈔』には「過現門とは過去世の中に衆の徳本を植え、現在世の中に至心に回向し、第三生の時まさに往生を得。現未門とは現在世中に衆の徳本を植え、未来世の中に至心に回向し、第三生の時まさに往生を得」(浄全七・二三二上~下)とあり、良忠は他にも『東宗要』や『伝通記』でも同様に説示している。
【参照項目】➡係念定生願
【執筆者:郡嶋昭示】