一寺を開創した開山や一宗・一派を開いた祖師などの、像や御影あるいは位牌などを祀った堂舎。祖堂・祖師堂や影堂・御影堂などともいわれる。鎌倉時代の禅宗寺院の祖師信仰の高まりの中でより重んじられた。近世には、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗などで御影堂が一番の主要伽藍として建立されることがあり、浄土宗や真宗高田派では、「みえいどう」、東西本願寺では「ごえいどう」と称している。また弘法大師を祀った大師堂、聖徳太子を祀った太子堂などもその一つである。
【参考】赤松俊秀「御影堂について」(『鎌倉仏教の研究』平楽寺書店、一九五七)
【参照項目】➡御影堂
【執筆者:野村恒道】