往生浄土を明かすことをその主旨とする経典類の総称。『観経疏』散善義では「専ら往生経に依って行を行ずる者、これを正行と名づく」(聖典二・二九四/浄全二・五八下)とあり、良忠はこの往生経を三部経と釈している(『伝通記』浄全二・三八七下)。また法然は『選択集』二において、読誦雑行とは「『観経』等の往生浄土の経を除いて已外の大小乗顕密の諸経において、受持し読誦する」(聖典三・一〇七/昭法全三一五)ことと述べ、これに対比させている。
【参照項目】➡六部往生経
【執筆者:粂原恒久】