一巻。『浄土論註音釈』『浄土往生論註解音釈』ともいう。湛奕たんえき(湛益)撰。寛永一八年(一六四一)作。八王子大善寺一〇世で、のちに太田大光院八世となった湛奕は、『往生論註記』の正本を無住から相伝しており、また『往生論註記』の異本七本の校合を行っているようである。本書はその湛奕が『往生論註』の難読難解の字句に対し、内典はもとより多くの外典を用いて、音を付し解釈を加えたものであり、また『論註』の古本に見られる誤写についても訂正を加えている。
【所収】続浄五
【執筆者:加藤芳樹】