六時礼讃
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:35時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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ろくじらいさん/六時礼讃
善導『往生礼讃』の所説により、一日六回昼夜六時に分けて阿弥陀仏を讃歎し、浄土往生を願いながら礼拝をする行儀。『観経』では日想観を初観とすることから、六時礼讃では西方に日が沈む日没(午後四時)一九礼を初めとし、以下順に初夜(午後八時)二四礼、中夜(午前〇時)一六礼、後夜(午前四時)二〇礼、晨朝(午前八時)二一礼、日中(正午)二〇礼を行う。『徒然草』によれば太秦の善観房が節博士を定めたとされる。また建永の法難の一因ともなった住蓮・安楽らによる六時礼讃の法会にも象徴されるように、古くから声明を中心として盛行していた。
【資料】吉田兼好『徒然草』下(『日本古典文学大系』三〇)、『四十八巻伝』三三(聖典六・五三八)
【参考】岩田宗一「わが国における往生(六時)礼讃声明の歴史的展開と現状」(藤堂恭俊編『善導大師研究』山喜房仏書林、一九八〇)
【執筆者:石上壽應】