蓮門宗派
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:35時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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れんもんしゅうは/蓮門宗派
一冊。編者不詳。一部は天文一七年(一五四八)の書写、その後成立。法然門下の系譜。構成としては、天文一七年に書写された西山西谷義を主とした系譜(『浄土惣系図』〔西谷本〕とほぼ同一のもの)に、鎮西白旗派を主とした系譜を追加したもので、その間に西山三鈷寺伝持次第と二尊院住持次第を挟み込んでいる。さらに末尾に浄土先達として浄土教の諸師を挙げ、最後に浄土宗派略図を載せている。またこれらの系譜は主だった諸師に略伝を添えている。冒頭の系譜は浄土三国伝灯の祖師を示した後、改めて釈尊からの相承が法然の門下に至っていることを記し、次いで証空から西谷の浄音の流れを詳記し、西山派を終えると長西ら他流の弟子たちに及んでいく表記である。さらに法然に師弟の礼をとった出家・在家の弟子たちや、時宗の法系まで列挙している。なおこの『蓮門宗派』の系譜は『宗派流伝』などと共に『浄土源流(章)図』に採り入れられている。
【所収】野村恒道・福田行慈編『法然教団系譜選』(青史出版、二〇〇四)
【参考】野村恒道・福田行慈・中野正明「日本浄土教諸系譜の研究—法然門下系譜の脈流考—」(『仏教文化研究』三〇、一九八五)
【執筆者:野村恒道】