位牌いはいのこと。古くは「りょうぎ」とも読んだ。『観経疏』序分義に「如来、請しょうに赴きたまえば光変じて台と為る。霊儀を影現ようげんしたまうに、夫人すなわち安楽に生ぜんことを求む」(聖典二・一九八/浄全二・一七上)、また『法事讃』上に「過現の諸仏等の霊儀…大衆華を持ってその上に散じ」(浄全四・八上/正蔵四七・四二七下)とあるように諸仏の儀容(すがた)をさしている。『糅鈔にゅうしょう』二八には、「霊儀は住立の三尊なり」(浄全三・六三二上)とある。転じて死者の儀容となり、位牌を意味することとなった。
【参照項目】➡位牌
【執筆者:中西時久】