噓をつくことを禁じた戒。不故心妄語戒ともいう。十重禁戒の第四番目の戒であり、菩薩の波羅夷罪はらいざいである。噓をつくことを誰かに教えたり、噓をつかせたりすることも禁止されている。菩薩は常に自ら正しい言葉と見解を抱き、またあらゆる人々に正しい言葉と見解を抱かせるべき存在である。それにもかかわらず、自ら噓をつき、他人に噓をつかせて、あらゆる人々を偽りの言葉や間違った見解、あるいは誤った行為に導くのであれば、波羅夷罪とされるのである。
【資料】『梵網経』、『菩薩戒義疏』
【参照項目】➡十重禁戒、波羅夷
【執筆者:石田一裕】