民族宗教
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:34時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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みんぞくしゅうきょう/民族宗教
民族そのものを担い手とする宗教を民族宗教、また、その信仰を民族信仰という。これらの例として、例えばゲルマン民族の宗教、ユダヤ民族の宗教、インドのヒンドゥー教や日本民族の神道などがあげられる。ここでは、特定の教祖はみられず、民族の存在が優先され個人は民族に従属し二義的存在となる。神は民族全体の安寧と秩序、維持と繁栄を保証し、いわば民族の守護神の役割を担い、そしてそのことに救いがあるとされる。世界宗教は民族宗教を背景として展開することが多いが、両者は重層しており、民族宗教が世界宗教化したり、世界宗教が民族宗教化する場合もある。
【参考】赤松智城『輓近宗教学説の研究』(同文館、一九二九)、岸本英夫『宗教学』(大明堂、一九六一)
【執筆者:藤井正雄】