釈尊の前世を物語化した本生(ジャータカ)に基づいて描かれた浮彫や絵画。ストゥーパには本生図も数多く描かれ、仏伝図と共に東漸してきたと言える。日本における本生図の受容は、飛鳥時代の玉虫厨子(国宝、法隆寺蔵)に見ることができる。つまり、須弥座両側面に描かれた「捨身飼虎図しゃしんしこず」「施身聞偈図せしんもんげず」である。前者は身を投じて虎の餌食になる自己犠牲の物語、後者は鬼に身を投げ教えを乞い悟りを得る話を絵画化したものである。
【参照項目】➡ジャータカ
【執筆者:多川文彦】