粟生あおう光明寺に蔵される法然の像。張子とは型に紙を重ね貼って形を作り、乾いてから型をぬきとるという制作方法で、木像とは違い柔らかさが感じられる。『光明寺絵縁起』には、法然が四国配流の途次、船中で母からの消息の紙を貼って作った自身の像であり、手先が器用であった弟子の湛空が手伝ったことが記されている。その意匠が巧妙であること、起座屈伸自在で、しかも法然自作というところから、真像として同寺御影堂に安置されたという。【図版】巻末付録
【参照項目】➡法然上人御影、光明寺一〇
【執筆者:成田俊治】