四箇しか法要等で唄を唱える役、またその人。通常一法要に一人であるが、大法要などにおいては二人とすることもある。江戸時代、知恩院の御忌の勅会法要では二人であったことが記録されている。唄師は長老の役とされ、天台宗や浄土宗では相伝をうけた者がその役につくことになっている。古くから特別視され、唄師という役が文献などに見られる。法然の五〇〇年御忌法事では、「唄師左右各一人」(『知恩院史』六二八、知恩院、一九三七)とあり、現在、知恩院では得度式で唄師が出家唄(毀形きぎょう唄)を唱えている。
【参照項目】➡唄、四箇法要
【執筆者:大澤亮我】