二巻。別名「念仏双紙」。鈴木正三撰。成立年次不詳。かな文字による、「けんじゅびくに」と「吽誉幸阿」の問答を中心とした念仏勧化の物語。両者とも下総国しもうさのくに飯沼庄出身で、それぞれ諸国を遊行するうち、越前で出会い、その際の二人の問答を通して念仏の一行を勧める内容。「二人比丘尼」「因果物語」と共に国文学史において高い評価を受けている。
【所収】鈴木鉄心編『鈴木正三道人全集』(山喜房仏書林、一九六二)
【参考】服部英淳『浄土教思想論』(山喜房仏書林、一九七四)、藤吉慈海『浄土教思想研究』(其中堂、一九六九)
【執筆者:上田千年】