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弾選択

提供: 新纂浄土宗大辞典

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だんせんちゃく/弾選択

一巻。現存せず。年代は不明。定照著。定照は、上野国並榎こうずけのくになみえ(群馬県高崎市)に住み、竪者りっしゃと呼ばれる天台宗の学僧と伝えられている。原本・写本ともに現存しないため内容を確認することはできないが、『四十八巻伝』四二に「ここに上野国より登山し侍りける並榎の竪者定照、深く上人念仏弘通そねみ申して、『弾選択』という破文を作りて、隆寛律師の庵に送るに、律師又、『顕選択』という書を記してこれを答う」(聖典六・六三九/浄全一六・五九八上)とあるように、専修念仏を糾弾するための書物と考えられる。また、定照の『弾選択』と隆寛の『顕選択』による論争が原因で、嘉禄三年(一二二七)には、「嘉禄の法難」を引き起こすこととなる。


【参考】小此木輝之『中世寺院と関東武士』(青史出版、二〇〇二)、石井教道『選択集の研究』註疏篇(誠文堂新光社、一九四五)


【参照項目】➡顕選択嘉禄の法難定照隆寛


【執筆者:神宮良弘】