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正因正行

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しょういんしょうぎょう/正因正行

浄土往生するための正因正行のこと。善導の『観経疏散善義の冒頭に「これより已下は、次に三輩散善一門の義を解す。この義の中に就いて、すなわちその二有り。一には三福を明かして以て正因とす。二には九品を明かして以て正行とす」(聖典二・二八五/浄全二・五四下)とあるように、正因三福正行九品と釈している。また、同じく散善義に「三心を弁定して以て正因とす」(聖典二・二八六/浄全二・五五上)とあり、「正行と言うは、専ら往生経に依って行を行ずる者、これを正行と名づく」(聖典二・二九四/浄全二・五八下)とも説かれている。これをうけて良忠は『伝通記散善義記一において、「問う、三福正因三心正因九品正行五種正行と同異は如何いかん。答う、三福正因は即ちこれ起行三心正因は即ちこれ安心なり。心行異なるといえども俱に往生の因なり。故に正因と名づく。三福正因は経文自ら説き、三心正因は大師の義立なり。また五種正行九品正行とは、俱に起行なりといえども、しかもその義は別なり。謂く、九品正行輪廻の邪業に対して総じて往生の業因をもって名づけて正行となし、いまだ正雑を分かたず。総じて正行と名づく。五種正行は諸の雑行に対して別して親近をもって名づけて正行となす」(浄全二・三七二上)と述べ、両説に矛盾がないように解釈している。


【執筆者:齊藤隆信】