一巻。湛然の門人であった唐の法聡の撰述。智顗の『観経疏』を註釈した書。天台教学の立場から浄土教を解釈しているが、註釈元の『観経疏』の偽撰説がたいへん有力であるため、智顗の書の解説書としては難がある。内容は凡夫と聖者が同居する娑婆を極楽とする凡聖同居土ぼんしょうどうごどを説明し、ついで『観経』が説かれた経緯や十六観について註釈をしている。
【所収】浄全五
【執筆者:横田善教】