心行同異
提供: 新纂浄土宗大辞典
しんぎょうどうい/心行同異
善導は浄土の行業を明かし安心と起行について解釈しているが、安心(心)と起行(行)は同一であるかという問題。聖光『西宗要』の第九安心起行事(浄全一〇・一五六)での議論。これについて聖光は、往生の行は往生の心より起こるので各別のものではないとし、本来分別することはできないとする。ただし修行する行者の根性が一様ではないので横と竪を用いて心と行の関係を説明する。良忠の『浄土宗要集聴書』(浄全一〇・二五七)は『西宗要』の説をうけ、行は心を起こし心は行を守って得生の行を成就するという。横の安心を具足する行者とは、起行の外に安心を分別せず、自然に心行を具足する人である。竪の安心を具足する行者とは、教えを聞いてから初めて具えるので心行の不同が判断できない人である。
【参照項目】➡三心
【執筆者:南宏信】