さんじけねんぎはん/三時繫念儀範
一巻。著者不詳。『続蔵』に『中峯国師三時繫念仏事』一巻に並べて収載され、ともに宋・延寿の著作とするが誤り。『中峯国師三時繫念仏事』は元の中峯明本(一二六三—一三二三)の著作であるが、本書には「大明国」や「中峯祖師」の語があるので峯明本の自著ではなく、明代になって明本の『三時繫念仏事』に倣って作られたものであろう。浄土往生を願う者のために三時にわたって念仏を修する儀式の次第・方法を記している。心・仏・衆生三無差別、自性弥陀、唯心浄土の立場の浄土教である。
【所収】続蔵七四
【執筆者:佐藤成順】